おもしろコラム1月号2024
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ジア諸国との連携を深めて中国を牽制すべきだ」、「EUと結んで、アメリカに対抗するべきだ・・。」などというような安直な意見です。日清戦争後の三国干渉の際も、ときの明治政府の選択肢としては①拒否②列強のバランスオブパワーをうまく利用して回避③受諾・・・の三つがあったと言われていますが、この中で、もっとも厄介なのが②だと思います。②は、一見、良さ気に見えますが、国家間の利害というものは、確かに、自国の利益の為に第三国を排除してくれることもありますが逆に、「強きを助け、弱きをくじくことで利を得る」場合もあり、また、仮に排除してくれたとしても、その国も別にボランティアで排除してくれたわけではないのですから、その国が送り狼になってしまう・・・ということも無いわけではなく、実際に、そうなってしまったケースも決して少なくはなかったようです。無論、ナポレオン戦争後の「会議は踊る」で有名なタレーランの例もないわけではありませんが、こ1月号-121   

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