おもしろコラム1月号2024
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た槍を手に取るなり、障子を開けて、縁側に仁王立ちになる・・・。「何事で御座りまするか!」と言って慌てて駆けつける家臣に、「わからぬ。わからぬが、そこに誰か居おった」と。「誰もおりませぬが」という家臣に対し、汗を浮かべながら、「いや、殺気を感じたのじゃ」と、まあ、こういうシーンでした。確か、このときの、その怪しい奴というのは、徳川家によって大阪夏の陣で滅亡させられた豊臣家の旧臣で、最後の豊臣家当主、豊臣秀頼の子供をかくまっているという設定だったと記憶しておりますが、それは    1月号-138  さておき、思えば、このドラマの設定は、すでに、三代将軍家光の治世で、二代秀忠がすでに没していたことを考えると、おそらく、1635年頃の話だろうと考えられます。となれば、この時代、最後の戦争となった大阪夏の陣からでもすでに20年、その前の、事実上の戦国最終戦争である関ヶ原の戦いからだと35年が経っていたわけで、人間の寿命が50歳と言われ、40歳になると隠居していた当時からすれば、戦争というのは遠い昔の出来事になっていたわけですね。(関ヶ原当時、15歳だったとしても、ぎりぎり、生きているかどうか。)無論、架空のドラマですから、一々、真に受けるわけではありませんが、ただ、考えさせられる話ではありました。つまり、現代の日本と一緒で、戦争を知っている人たちというのは、皆、    

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