おもしろコラム1月号2024
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葉には殺菌効果がある。おせち料理やお赤飯の上に南天の葉が置いてあるのは、腐敗防止にも役立っている。ただの飾りだけではないのだ。他は、茎や葉を煎じて、痛み止めや滋養強壮にも使われることもある。薬効だけではなく、厄除けとして庭先や鬼門方向に植えられることも多い。ニンニクが東西関わらず厄除けになっていることから判るように、薬効が強いものは、悪いものから守ってくれると信じられている。実を食べても煎じても良し、葉も茎も根も、余すことなく薬として使用することが出来る南天は、昔の人にとっては、まさしく万能の神に見えただろう。お正月の飾りつけに、福寿草と南天を合わせるものがある。黄色と赤が美しく、とてもおめでたい感じがして、新    1月号-32  年ムードが盛り上がる。これは、見た目だけで組み合わされたのではなく、南天は難を転ずるとされる縁起物で、福寿草と二つ並べることにより、「災転じて福と成す」という意味が込められている。 り難味が増えてくるような気がする。       (コラムニスト    旭堂花鱗絵:吉田たつちか)20061/.  こう聞くと、益々南天への有

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