おもしろコラム1月号2024
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      小寒(1月6日頃)から立春(2月4日頃)の期間に日本酒を造る事を「寒造り(かんづくり」といいます。江戸時代頃までは通年に渡り酒を造る四季醸造(しきじょうぞう)が行われていましたが、江戸幕府がその時々の食糧事情や政情等により不安定な酒造統制を行い、米不足になると寒造り以外を禁じたり、逆に米が供給過剰となると四季醸造を解禁する、などを繰り返す内多くの蔵元が安定して認可される寒造り以外をやめ、次第に主流となって今日に至るという経緯があるようです。しかし酒造りに関る杜氏を始めとする職人達にとって厳寒の中での作業は辛く厳しいものである事が想像に難くありませんし、麹菌という生物を使って行う醗酵も低温中での進行速度は遅い、と一見負の要素が多いように感じられますが、古来より総じて寒造りは良い酒ができるといわれ、品質の点からも寒中以外の酒造りはあまり省みられなくなりました。酒造りには米と水が必要不可欠ですが、中でも日本酒の成分の約80パーセントを占める水は出来上がりの品質を左右する大き1月号-33  寒造り(かんづくり)    

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