おもしろコラム1月号2024
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おそらく秘伝のタレなり味付けがあるのだろうと思っていたが、亭主は教えてくれない。そこでそれとなく亭主の調理姿を盗み観ていたところ、ある調味料をサッと入れているのを見つけた。若者は亭主の味を盗んでやろうと、後でこっそりその調味料を探すとあったのだ。その店秘伝の調味料『うま味調味料』が……」という話しが作られるくらい、中国ではうま味調味料が多用されています。もっと言えば「中国料理が世界に広まったのはうま味調味料があったおかで美味しくなったから」という話しが伝わっているくらいです。世界人口の5人に1人が中国人であるという巨大国である中国は世界中に移民がたくさんいて、あらゆる国に中華街がありましたがチャイナタウンで食事をする地元の人は少なかったのが、うま味調味料を一振りするだけでアラ不思議。たちまち外国人をも満足させる味に変身するではありませんか! を使用するようになり、やがてあまりに大量に使うので『チャイニーズ・レストラン・シンドローム』などというありがたくない名称までもらうことになります。大量に使うようになったのは中国だけではありません。東南アジアなどもうま味調味料出現によって、ずいぶんと/         (食文化研究家 その国の料理が美味しくなったという話しはよく聞きます。巨椋修<おぐらおさむ絵:そねたあゆみ)中国系の料理人たちは大量にうま味調味料1月号-43

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