おもしろコラム1月号2024
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かまぼこで有名な『紀文』が2018年におこなった「紀文・お正月全国調       意外と新しいおせち料理という伝統明けましておめでとうございます。みなさんはおせち料理を食べますか? 査」によると、お正月におせち料理を食べた人の割合は全体の76.1%だったそうです。お正月料理の定番といえば、重箱に詰められたおせち料理ですが、これって日本の伝統とか言われていますけど、    1月号-68  その歴史は案外新しいものなんです。おせちを漢字で書くと、「御節」。1月7日の七草、3月3日のひな祭りや端午(たんご)の節句、七夕まつりなどの節句に出された宮中の料理だったのです。それが江戸時代に庶民にも広まったとされています。江戸時代の後期になると、重箱に入れるようになったとか。重箱は元々、お弁当箱やお菓子を入れる容器だったのが、やはり江戸時代にいろいろなご馳走を入れるようになりました。当然、おせち料理を重箱に入れることもあったようですが、「重箱=おせち料理」となったのは、比較的最近のこと。それも、終戦後、百貨店のキャンペーンからなのです。「おせち」という名称もそのキャンペーンから広まりました。それまでは「蓬莱」とか「食積(くいつみ)」などと呼ばれていました。 「恵方巻」も、コンビニの「セブンイレブン」の商法から全国的に広まったもの。クリスマスケーキは不二家の考案。クリスマスにフライドチキンを食べるようになったのもKFC(ケンタッキー・フライド・チキン)の戦略と、近代略と、近代や現代の食文化は、意外とどこかの株式会社の商法に乗っかって生まれたものが多いんです。そもそもクリスマスを祝う習慣って、キリスト教徒が全国民の1%しかいない日本にはありませんでしたし。     

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