・おせち料理・お屠蘇(おとそ)・お雑煮(おぞうに) おめでたい新年1月の食文化お正月や1月の食文化って、いろいろありますよね。お正月前になると「年神様」にお供えするためにおせち料理を作ります。これは平安時代の宮中で始まったとされ、庶民に広まったのは江戸時代中期からです。おせち料理には煮しめなど、日持ちするものが多いのですが、これは三が日は煮炊きなどせず、のんびり静かに暮らしましょうという風習があったからだそうで、冷蔵庫がない時代、日持ちする料理となると、煮しめや数の子、黒豆の煮物、田作り(小さなカタクチイワシの煮干しを炒って、醤油・砂糖・みりんを煮詰めたもの)などになってくるのですね。お屠蘇の語源は「邪気を払い(屠る)、心身を蘇(よみがえ)らせる」で、無病長寿を願って元旦に飲むお酒です。中身は日本酒、みりん、屠蘇散という生薬が、入っています。お雑煮も年神様にお供えした、餅などを煮て食べたことが始まりです。お雑煮は室町時代、武家の宴会で「酒のつまみ」として食べられるようになり、やがて中に入れているお餅がよく伸びることから、長寿を願ってお正月に食べ1月号-73
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