おもしろコラム2月号2024
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から、牛の角を生やし、虎のふんどしを締めている鬼のキャラクターが出来上がった。節分の時期は、西高東低の気圧配置になり、冷たく乾いた空気が日本に滑り込んできて、体調を崩しやすい。裏鬼門・北西から表鬼門・北東に、風が抜けていくのを肌で感じた昔の人は、鬼が活発に動いていると思ったのではないだろうか。だからこそ、畑の肉と呼ばれる栄養満天の大豆を食べ、体の中から鬼を追い出そうとした。昔は正体の見えない悪いモノを「鬼」と呼んだ。今はその正体は、徐々に明らかに成ってきていて、恐がることも無くなってきた。けれども、先人がこの時期に体を大切にしたということを、心に留めておきたい。気候だけでなく、年末年始の暴飲暴食で疲れている体を労わり、温かく活動的になる春に備える。節分を、ちょっと今までの生活を振り返る日にしてみても、いいのではないだろうか。     (講談師 旭堂花鱗絵:そねたあゆみ)200602/.  2月号-9

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