おもしろコラム2月号2024
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士を雇っていたと言われています。それなのに、犯人は坂本・中岡を斬る前にその来訪を取り次ごうとしたその元力士を後ろから斬っていますが標的に辿り着く前に部屋の前で他の者を斬ってしまうのはリスクが大きすぎませんか?仕留め損なったら気づかれるし、普通、狙われる側は些細なことでも身構えて待つものですよ。それなのに彼らは取次者を斬った後、平然と座って挨拶し、「坂本先生は?」と尋ね、龍馬がこれに応えたのを見ておもむろに小太刀を抜いて斬りつけた・・・と。これも本来おかしな話で、座ることは当初からの予定であったとしても、暗殺犯は標的の警戒状況如何に関わらず座ってこれを決行したことになるわけで、だとすれば大胆にしてもっとも効果的、彼らの標的を仕留めるまでの20分足らずの動きには、一切の無駄も迷いも感じられず、そこには恐ろしいまでに暗殺慣れしているものを感じます。次に、犯人を絞り込むうえで、この時期、京都に居て、小太刀の名手で、かつ、室内戦闘の経験が豊富・・・と         2月号-110  

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