おもしろコラム2月号2024
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なると、まず、室内戦のプロといえば、どうしても新撰組が思い浮かびますが、この時期、新撰組はますます佐幕色を強めており、であれば、龍馬を討ち取っていささかも隠す必要はなく、むしろ池田屋事件の時のように堂々と犯行声明(?)を掲げたでしょう。そう考えれば、見廻組には小太刀の名手もいたのでしょうが、むしろ新撰組に比べれば影が薄かった観があるだけに、少なくとも、わざわざ新撰組の仕業に見せかける必要もなかったように思えますし、何より彼らが修練を積んできたのは「暗殺」ではなく「戦闘」だったわけで・・・。(現場には新選組を疑わせる証拠物件が多数残されていたといいますが、これも、これほど鮮やかな襲撃を成し遂げた輩にしては少し粗雑すぎるように思えます。)そう考えると、どうにもこういうことに恐ろしく慣れている連中、つまり、幕府の特殊暗殺部隊のような存在があったようにしか考えられず・・・、うがちすぎですかね。     (小説家 池田平太郎絵:吉田あゆみ)201202/-  2月号-111

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