おもしろコラム2月号2024
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が、そこにいたのはよく知ったイザナミではなくゾンビのような姿。驚いたイザナギは黄泉の国から逃げ出そうとするのですが、ゾンビになったイザナミは仲間を連れて追ってきます。様々な物を投げつけ時間稼ぎをし、最後に投げたのが桃の実。これが功を成し、イザナギは九死に一生を得ました。ここから日本では、穢れを祓う植物として桃が認知されるようになったのです。実は昔話『桃太郎』も、このイザナミとイザナギのエピソードが元になっているのではないかという説もあるんで-         (コラムニスト すよ。穢れを祓う桃から生まれた神のような存在として、桃太郎を描いたのではないかと。川上から流れてきたのも、川がこの世とあの世の境界線ではないかといわれています。そう考えると、桃太郎が退治した鬼は、物理的な暴力を振るう存在でなく、日本人にとって最大の穢れである「死」だったのかもしれません。                エジプトがエジプトではない古代エジプト  古代エジプトに「文明」が芽生えたのは、紀元前五千年頃のことと言われる。が、古代エジプトがアッシリア帝2月号-131国に征服され、「終わり」が始まった紀元前663年は、中国の歴史では春秋時代初期。すなわち、中国史が本格的に動き出した時期に当たる。ふじかわ陽子)20242 

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