おもしろコラム2月号2024
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出荷するため、水銀はあまり溜め込みません。さらに水銀は赤身といわれる筋肉部分に多く溜まるのですが、前述したように、養殖マグロは体のほとんどが大トロ中トロですから、これもまた水銀が溜まりにくい理由となっています。つまり、養殖マグロは美味しい上に安全。さらに安定して供給されるために安価。これはマグロに限らず養殖マダイ、養殖ハマチなどにも当てはまります。考えて見れば、お米や野菜、果物も、野生種よりも品種改良したもののほうが美味しく安価なのは道理。ウシやブタ、ニワトリなども野生より畜産されたものの方が美味しくて安価。後は農薬とか餌に注意をすれば、食の安心安全に食べられます。それに、近代になって急激に膨れ上がった世界人口の生命を維持するためには、農業や畜産、養殖の技術を上げなくては、いま以上の大量飢餓が人類に襲い掛かってきます。まさに「養殖は世界を救う!」ですね。いまやマグロ類は乱獲の結果、マグロ類8種のうち3種が絶滅の危機にあるか、ほとんど絶滅状態だそうで、自然保護のためにも養殖は必2月号-61        

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