おもしろコラム2月号2024
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スープの温度調整をしているのです。ところが、中国からやってきたラーメンには、日本の麺類にはない食器が一つついてきます。それがレンゲ(スプーン)です。まあ、いまどきのオシャレなうどんや蕎麦ならレンゲが付いている場合もありますが・・・いまや国民食となったラーメンですが、日本に中華料理が入ってきたころ、中華料理屋の客は主に中国人で、中国人にはスープをすする文化はなく、最初からラーメンにはレンゲが付いていました。また、カレーうどんの場合もレンゲが付きます。カレーうどんの場合の理由はわかりますよね、他の麺類のように勢いよくすすってしまうと、汁が飛んで、服が汚れるという事件が起こってしまいますから(笑)「すする」という日本独特の食文化は、いまマナーの欧米化によって、消えつつあります。それもまた、時の流れなのでしょうね。       (巨椋修(おぐらおさむ):食文化研究家)2402 -    2月号-70  

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