おもしろコラム4月号2020
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私にはアメリカに遠い親戚がいるのですが、その人はいつも、「私の職場にはアフリカ系やヒスパニックからロシア人も北朝鮮もいる」と言います。つまり、「だから、あなたたち日本人と違って世界を知っているんだよ」ということのようですが、でもそれは私に言わせると、すべてアメリカという巨大な水槽の中で見ている「世界」であって、同じ生き物でも動物園で見るのと野生で見るのとではまったく話は違うわけです。これは人間も同じで、表面だけ見て知った気になっていることが今のアメリカのつまずきの一端となっているような気もしますが、この点で、伊藤博文はその手紙の中で面白いことを言っており、「らくだのことを調べる時、ドイツ人は図書館へ行き、フランス人は動物園へ行き、イギリス人は砂漠へ行く」と。その論でいけば、さしずめアメリカ人は「テレビで見ってわかった気になっている」でしょうか。確かにイギリス人の外交感覚を見るとき、感心するのはとにかく、「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という孫子の兵法そのままにその国の国力、国情から国民性まで、とにかくよく把握していることです。第一次世イギリス人は外交上手102

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