おもしろコラム4月号2020
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今の時代、「東京から博多まで歩いて行きました」と言えば、皆、驚くでしょうが、飛行機どころか、鉄道すらなかった江戸時代以前には、船が使える所を別にすれば、乗り物はせいぜい馬か輿や駕籠くらいしかなく。こう言うと、「馬や駕籠は乗っていれば良いだけだから楽でしょ」と言われるかもしれませんね。でも、実際にはそれらは現代人が思うほど楽な移動手段ではありませんでした。まず、騎馬民族という言葉がありますが、それは人がいて馬がいれば自然発生的に出来たものではなく、実際には鞍や鐙(あぶみ)といった乗馬道具が開発されて初めて可能になったもの。さらに、道具が揃っても、乗馬が長く武将の鍛錬の手段の一つであったことからもわかるように、去勢が登場する前はロデオの世界。少なくとも、オリンピックで見るほど優雅なものではなかったようです。仮に普通に乗るだけだったとしても、自転車だって乗り慣れないと尻が痛いように、時代劇俳優の回想録には、「(入社直後は)乗馬の練習で、毎日、長い時馬や駕籠は楽か?106

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