い状態で、他の選択肢を与えません。よくセールスである、「AとBどっちを買いますか?」というのも、ダブルバインドです。Cを買うという選択肢や、買わないという選択肢がないのです。実はこれ、パワハラに多いものなんですよ。例えば、「分からないことがあったら質問しろ」と言っていたにも関わらず、いざ質問をしたら「忙しい時に聞くな」と突き放す。このような場面は、会社勤めの方なら1度や2度は目にしたことがあるでしょう。やられた相手は、何が正解か分からず混乱してしまい、最悪、精神疾患を発症してしまうでしょう。このダブルバインドから逃れるために必要なのが、第3の存在です。『金の斧』の男が、自分の斧は鉄の斧だと女神に告げたのは、第3の存在を示すものでした。真実を第3の選択肢として、相手に提案するのが、ダブルバインドから逃れる唯一の方法です。先の例なら、「忙しい時に聞くな」と突き放されたなら、「また後ほどうかがいます」と第3の提案をします。それを拒否するようでしたら、会社の人事に相談です。人事がいない会社なら、他の社員に相談しましょう。これも「第3」の提案、真実を証明するために必要なものです。もし、社内での人間関係がつらいと感じた時は、『金の斧』を思い出してみてください。第3の存在が、きっとあなたを救ってくれるでしょう。(コラムニスト 絵:吉田たつちか)202204/- ふじかわ陽子 4 月号 -128
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