おもしろコラム4月号2020
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2012-04また、この人は、戦後、45歳の若さで野村證券の社長に就任した人なのですが、このとき、就任挨拶として、電力の鬼と呼ばれた老財界人、松永安左衛門の元を颯爽と訪ねたところ、逆に、「きみぃ、いやしくも経営者たるもの、投獄・倒産・大病3つのうち、2つを経験して一人前だという。僕はこのうち、投獄と倒産を経験した。君はいくつ経験したのかね?」と言われ、悄然として帰ったという話を聞いたことがあります。失恋、落第、大病、投獄、倒産・・・、どれも好きこのんで経験したいものではありませんが、これらの体験は、いやがうえにも人間を成長させるものではないでしょうか。まさに、「女子、三月見らざれば嘆息するも、男子、三日見ざれば刮目せよ!」とはこういうことを言うのでしょう。今の世の中、男女平等ですから、男子女子というとらえ方ではなく、要は体験の内容という風に捉えて頂ければいいかと・・・(嘆!)。もっとも、失恋、落第というもののステータス(?)は現代では随分下がったようにも思えます。この点で、この定義を現代風に当てはめるなら、「失恋」ではなく「離婚」でしょう・・・。その意味では、落第はむしろ「リストラ」かと・・・。それでも、この女性のように、こういった面接の場で、それを口に出来るということは、周りの見解は別にして、本人的にはもの凄いショックだったのでしょうから、その意味では、素晴らしい体験であったでしょう。人間、誰しも、痛み方は人それぞれですから。それに何より、まだ、こういったうら若い女性に、「大病、投獄、倒産、離婚、リストラ」の経験を求めるのも酷ではないかと・・・。ちなみに私は、このうち、ようやく、2つ半を経験致しました。(詳細は聞かないでください(笑)。)まだまだ、一人前にはほど遠いですね。ところで、いくつお済みでしょうか、御同輩・・・。(小説家池田平太郎絵:吉田たつちか)/138

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