おもしろコラム4月号2020
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2019-04ただ、この点は何も日本に限ったことでは無く、普墺戦争、普仏戦争で大勝利を収め、日の出の勢いだったドイツは、二度の大戦で完膚なきまでに敗れ、逆に、二度の大戦に勝利し、一躍、超大国に躍り出たアメリカはベトナムで一敗地に塗れたにも関わらず、未だに成功体験から抜け出せていない・・・。(以前、ベトナム戦争当時の両国の戦争指導者たちが一堂に会して語り合うというのがありましたが、その折、マクナマラ元国防長官を始めとするアメリカ側は強気でワーワー言って、何とかベトナム側に「両国、共に悪かった」ということを言わせようとしていました。これぞまさしく、「終戦交渉というときになると、交渉を有利に進めようとして北爆し、逆にベトナム側を硬化させた愚」そのもので、アメリカの驕りと学習能力の欠如を見たでしょうか。)武田信玄の言と伝わるものに、「およそ戦というものは、五分をもって上とし、七分を中とし、十分をもって下とす。五分は励みを生じ、七分は怠りが生じ、十分は驕りを生ず。戦いは五分の勝ちを以て良しとする」というものがあります。つまり、「勝ちは辛うじて勝ったくらいがいい。七分勝てば驕りを生じ、圧勝するともはや弊害の方が大きい」ということで、つまり、「軍の発言力は流した血の量に比例する」ということ。なかなかの至言といえます。シビリアン・コントロールと言うものは、巷間、言われているほど堅牢なものではないことを我々も肝に銘じるべきでしょう。(小説家池田平太郎絵:そねたあゆみ)/140

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