おもしろコラム4月号2025
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次に問題となったのが、垂れ幕に字を書く順番。最初のなると、「俺に書かせろ」、「いや俺が先だ」で紛糾。「クジ引きで」という意見も出たが、それにも反対する者があり、なかなか決しなかった。 は意外に大事なこと。なぜか?書いた順番で、暗黙の裡に指導部内での序列が決まるからです。そして、これこそが、クーデターというものの多くが、成功しても長続きしにくいことの本質も示しています。この手の集団と言うものは、国家改造という目的では一致していても、細かい点ではそれぞれに主義主張があり、また、それなりに複雑な人間関係をも内包しているもの。仮にクーデターが成功し、革命政府が樹立されたとしても、今度はそこに、論功行賞からの序列争いが起き、そこがうまくいかないと、たちまちのうちに空中分解してしまいます。(その意味では、まだマシなのが宗教革命。「何であいつが俺より上なんだ?」と言ったとき、「神がそう、お命じになった」で済む。)その点では、ヒトラーはよくまとめていたと言えるでしょう。ヒトラーと言えば、独裁者のイメージがありますが、一方で、ゲッペルス、ゲーリング、ヒムラーといった個性の強い幹部たちの対立も上手く調停していました。それをすることで幹部たちにも「調停者としてのヒトラーの必要性」を認識させ、自らの求心力維持に繋げていたと。(小説家 垂れ幕の字の順番なんて、どうでもいいように思えますが、実はこれ、当人たちにとって池田平太郎絵:吉田たつちか)202304「錦」の字は橋本で決まったものの、その次の「旗」の字に/-            4 月号 -180  

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