おもしろコラム4月号2025
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きます。清明の「明」は、光量だけの話ではありません。心のほうの明るさ、つまり余計な濁りが引いていく感じ年度の慌ただしさの中で、予定表はにぎやかでも、空だけは静かに澄み、こちらの呼吸を整えてくれる。自然が先に整い、人がそれに追いつく。そんな順番が、四月にはあるのかもしれません。だから私は、清明のおすすめをひとつだけ挙げるなら、「遠回りして帰る」です。ツバメの帰還や雁の北帰行を思い出しながら、一本違う道を歩いてみる。すると、名も知らない花が咲いていたり、風が光って見えたりする。清明とは、世界が清らかで明るいのではなく、清らかさと明るさに気づける自分清明や初虹かかる川浅し清明や新じゃがこぼるる土の香よ清明や北ゆく雁に雲ひとつ清明や遠回りする朝散歩を含んでいる気がします。新が戻ってくる季節なのだと思います。(ジャーナリスト 井上勝彦)202604-“”“”                 4 月号 -28  

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