おもしろコラム4月号2025
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先日、大河ドラマの『青天を衝け』を観ておりますと、最後の将軍として有名な徳川慶喜が少年時代に毎日牛乳を飲んでいたというシーンが出てきました。江戸時代、日本人のほとんどは牛乳を飲む習慣がなかったので「めずらしいな」と思ったものです。と、いうことで今回は日本人と牛乳について述べてみましょう。日本における牛乳の記録は、飛鳥時代、智聡という渡来人が持ってきた医薬書に牛乳の薬効、ウシの飼育法などが記載されていたのがはじまりです。またこの時代、孝徳天皇は「牛乳は体を良くする薬である」と喜んで飲んだといいます。平安時代には典薬寮の付属機関として乳牛院ができ、酪農は全国に広まっていきました。乳製品は薬用として貴族の世界で重宝され。「蘇(そ)」と言われるチーズに似た乳製品を税として納める制度もありました。平安時代の貴族は、案外牛乳や乳製品を食べていたのですね。しかし時代が貴族から武士の時代になると、軍馬を育てることが多くなってきたため、牛乳の記録は消えていきます。他にも仏教の普及による肉食の禁止や「牛の血(牛乳)を飲むと穢れる」とか「牛乳を飲むと牛になる」という迷信が定着していきます。戦国時代、ジアン・クラッセという宣教師が著書「日本西教史」の中でも、『(日本人は)牛乳を飲むことは、生血を吸うようだと言って用いない』とも記しています。牛乳はずいぶん日本人に嫌われるようになってしまっていたん ニッポン牛乳史第2章 食のコラム        4 月号 -65

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