おもしろコラム4月号2025
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●インドからイギリスを経由して伝わったカレー●とろみが強い日本式カレーと三種の野菜カレーとラーメン。この二つの料理は、今や日本人の食生活に欠かせない「国民食」です。もともとは海外から伝来した外来の料理でありながら、なぜこれほどまでに日本人の心を掴み、独自の進化を遂げるに至ったのでしょうか。その歴史的背景と、日本流の進化の象徴である「カレーの粘り」の秘密について紐解いていきましょう。カレーはインド発祥ですが、日本にはインドから直接ではなく、明治時代初期にイギリスを経由して伝わりました。当時のイギリス海軍で食べられていたカレーが、日本海軍に採用されたことが普及の大きなきっかけです。インドのカレーはスパイスと野菜の水分で作るサラサラしたものが主流ですが、日本のカレーには独特の「とろみ(粘り)」があります。これには明確な理由が二つあります。まず、インド生まれのカレーはイギリスに渡り、イギリス海軍に採用されました。当時の海軍では、揺れる船の上でカレーがこぼれないよう、小麦粉をバターで炒めてとろみをつけていたのです。日本で明治維新が起こり、帝国海軍が誕生します。日本陸軍がドイツ陸軍をお手本にしたのに対し、日本海軍はイギリス海軍を手本としました。このとき、食事文化もイギリス海軍から学び、その中にカレーが含まれていたのです。先述の通り、イギリス式のカレーは艦上で食べるためにとろみがありましたが、日本のカレーはそのイギリス式よりもさらにとろみが強いのが特徴です。なぜでしょうか。 なぜカレーとラーメンは日本の国民食となったのか?         4 月号 -80  

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