おもしろコラム4月号2025
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れには3つの要素がありました。1つ目は、戦後の食糧事情と高度経済成長です。戦後の食糧難の時代、安価でボリュームがあるカレーとラーメンは庶民の強い味方でした。特に1950年代に登場した「即席カレールー」や「インスタントラーメン」の発明は、家庭への普及を爆発的に加速させ、高度経済成長を支える活力源となりました。2つ目は学校給食です。子どもたちは給食でカレーやラーメンに出会います。子供の頃に刷り込まれた「大好きだった味」は、大人になっても変わることはありません。世代を超えて愛される土壌が、公教育の場でも作られていたのです。3つ目は、日本人の凄まじい「日本化」能力です。日本人は、海外の文化をそのまま受け入れるのではなく、自分たちの好みに合わせて作り変えるのが得意です。カレーなら福神漬けを添えたり、出汁を加えて「カレーうどん」にする。ラーメンなら醤油、味噌、塩、豚骨と、地域ごとに多様な進化を遂げさせてきました。カレーとラーメンが国民食となった理由は、単に美味しいからだけではありません。それは、海外にあった料理を、日本の「米文化」「出汁文化」という土壌に植え替え、日本人の好みに合うように何十年もかけて改良し続けてきた「適応と創造の日本食文化」の結晶なのです。 (巨椋修(おぐらおさむ):食文化研究家/-       絵:吉田たつちか)202604    4 月号 -82  

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