おもしろコラム4月号2020
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「世間の、意外に利口なことにハッとするときがある」・・・これは、私が師と仰ぐ兵法研究家・大橋武夫さんの言葉です。抹香臭い説教と違い、生で会社経営されてこられた方の言葉だけに、大変、身近に感じ、まさに、生きた言葉だと思います。この言葉のとおり、世間とは、それほど、愚かなものでもないと思います。黒澤明が、その名作「隠し砦の三悪人」の中で描いた百姓二人は、臆病で強欲などうしようもない連中でしたが、三船敏郎演ずる侍大将の目を盗んで、ちゃっかりと姫の居場所を密告しに走ったところなどは、まさしく、その好例だったでしょうか。マキャベリも言っています。「大衆は抽象的なことにはまるで判断能力を有さないが、具体的なことになると、かなり的確な判断を下す」と。ただ、私に言わせると、その利口な世間というやつは、同時に、必ずしも人格者ではないようです。世間の、意外に利口なことにハッとする92

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