おもしろコラム5月号
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絵:そねたあゆみ)20130/-     のは労組である」と看破しておられましたし、その意味では、野党というのは時の権力にとっては健全性を担保する    5月号-128  という意味では無くてはならない存在なのでしょう。)実際、ソニー、シャープ、パナソニック・・・などなど近年、日本企業が軒並み苦境に陥っている一方で、サムスンに代表される韓国企業の躍進・・・を考えれば、これは、必ずしも円高ばかりが原因ではなく、やはり、意思決定機関の弱体化ということも一因にあるように思います。ソニーの社長・会長を歴任した出井伸之氏は、「社長だからって大組織は思うようには動かせない」・・・ということを言っておられましたが、それはそうなんでしょうね。思えば、かつての本田宗一郎、松下幸之助などの創業者は社長であると同時に大株主でもあったわけで、自分が「右」と思えば「右」と出来たのでしょうが、その後の社長となると、他の重役は少なからず、かつての同僚ということも有り得る話で、なかなか、社長の独断で決裁するというわけにもいかないのでしょう。(トヨタが創業家から未だに社長を出し続けていることの背景がここにあると思います。)その為には、社長に就任することが決まった時点で新社長は金融機関から個人的に融資を受けて、自社の新株を必要かつ可能と思われるまで買うことが出来るようにする・・・というのも一案でしょう。無論、買う買わないは個人の自由で良いと思いますが、少なくとも、もう少しトップの任期中は権限と責任を集中させねば、企業としての競争力は保てないように思えてなりません。   (小説家 池田平太郎

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