おもしろコラム5月号
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の1960年から続く、「最も長い間変更されていないデザイン」となっているため、今では多くの人が星条旗といえば、1908年で、同様に、スウェーデンやスイスなども1900年前後に相次いで国旗を制定したものの、その起源自体は旗」としての必要性からだったそうで、従って、アメリカ合衆国の星条旗は独立戦争さなかの1777年、フランスのトリコロールは1790年代の採用になるのだとか。(ただ、星条旗は連邦に州が加わるたびに星の数が増やされる仕組みになっているため、世界で最も変更回数が多い国旗となっており、現在のデザインはハワイが州に昇格した翌年このデザインしか知らないということになっていると。)また、イギリスのユニオンジャックは17世紀中に軍艦旗としてあった物を正式に国旗としたのは日露戦争後の中世にまで遡ると言います。この点、日本も経緯は似たようなもので、日の丸の意匠も、その原型は8世紀にまで遡ると言いますが、これが国旗となったのは明治3年(1870年)、やはり商船規則制定の関係からだったそうです。ちなみに、そうやって規定された日章旗ですが、その法的な裏付けはずっと太政官布告のままで、長らく法令としては存在しておらず、平成11年(1999年)になって「国旗国歌法」が正式公布ということになった際、多くの人が奇異に感じたことは記憶に新しい所だろうと思います。        (小説家 池田平太郎絵:そねたあゆみ)201605/-  5月号-167

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