おもしろコラム5月号
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ました。生まれつき怪力を持っていたヘラクレスはヘラによって12の冒険(「仕事」とも言われる)をしなければならなくなります。その2つ目にするように指示されたのが、「怪物ヒドラ退治」でした。怪物ヒドラは、アルゴスという国の、ある沼に住んでいました。ヒドラとは9つの頭を持ち、大きさは人間の20倍もあると言われる巨大な蛇でした。しかもその真ん中の頭は、死ぬことがないと言われていました。そして9つの頭のそれぞれ備わっている口からは、毒ガスを吐き出します。ヘラクレスはヒドラの頭の1つ1つを、棍棒で叩き落していきました。しかし、1つ落ちたあとからは、今度は2つの新しい頭が出て来ます。毒ガスも吹き付けられましたが、ヘラクレスはあきらめず、息を止めてヒドラの頭を殴り続けました。戦いが長引いてきたので、ヘラクレスは甥のイオラーオスに、「俺が首を叩き落としたら、切り口を火で焼いてくれ!」と命令をしました。そうすると、焼かれた傷痕から新しい首が出て来ることはなくなりましたが、「不死身の頭」だけが生き残りました。ヘラクレスはその頭に大岩を投げつけて封じ込めました。この見事な戦いに感動した女神ヘラが、ヒドラを空に上げうみへび座にした、と言われています。        (コラムニスト 気象予報士 チャーリー絵:そねたあゆみ)201605/-   5月号-7

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