おもしろコラム6月号
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なり、その時期は穀物の育たない冬の期間に当たるようになったと言われています。おとめ座の象徴でもある明るい星「スピカ」とは、ラテン語で「穀物」を意味します。 もう1つのお話は、神々と人間とが仲良く一緒に暮らしていたころのお話です。 神々は、あとから現れた人間たちが、争いばかりを起こすので神々はあきれ果て、1人また1人と天上に帰って行ってしまいました。正義と天文の女神アストライアーが、最後まで地上に残り、人間たちに正義の尊さを伝えようとしていましたが、人間たちは女神の言うことには耳を貸さず相変わらず争いに明け暮れてばかりいました。彼女は人間たちに失望し、天に昇っておとめ座となりました。彼女は星となってからも手にはてんびん(てんびん座)を持ち、人々に正義の尊さを伝えようと、地上の愚かな人間たちに訴えかけ続けているのです。 どちらのお話も神話らしい魅力的な物語です。「穀物」という名を持つ「スピカ」を愛でてもいいですし、おとめ座の近くにあるてんびん座を一緒に見ることで、正義の尊さについて考え直してみるのも一興かもしれませんね。  (コラムニストチャーリー /-   絵:そねたあゆみ)2015066月号-9

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