おもしろコラム6月号
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いる臭さは鼻をもがれるよう。やがて通りがかった人々が何だと思って寄って来たから前夜の話をすると、いずれも私の好運を祝してくれ、家へ帰ると大騒ぎになっていた」と。いくら世の中が騒がしくなっていた幕末とはいえ、徳川幕/ 府のお膝元の江戸でもこれなのだから、ましてや人心が荒廃今で言うならクラクションを鳴らした鳴らさないで、すぐに殺し合いが始まる世界を想像すればいいだろうか。日本人が割りと人を殺さなくなったのは島原の乱からで(領民を殺しすぎて納税者がいなくなったため。)、それが定着したのは五代将軍綱吉の御代、悪名高い「生類憐れみの令」からだとか。人間は人間でさえも平気で殺すわけだから、動物虐待に何の疑問も持たなかったであろうことを思えば行き過ぎも致し方なかっただろうか。    (小説家 池田平太郎絵:そねたあゆみ)沸い出騰ししたてらい今たま戦で国気乱が世つがかどなうかでっあたっがた犬かや容猫易のに死想骸像のが溜つっくて。    6月号-124  

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