おもしろコラム6月号
127/187

著な例でしょうか。) おそらく、斉彬も、本気で武力出兵を考えていたわけ  /..  ではなく、相手から譲歩を引き出すための手段として武鹿児島城下で出兵のための練兵を繰り返していたのではないかと。つまり、ポーズとして・・・。この辺は、井伊と島津の虚々実々の駆け引きだったと思いますが、「討って出るぞ!」を匂わせて譲歩を引き出す以外に、斉彬に活路はなかったでしょう。 もっともこれは、関ヶ原の戦い直後に島津氏が採った戦略でもあり、その意味では、島津氏の伝統的な譲歩引き出し戦略だったとも言えるでしょうが、相手がこれに乗ってこなかった場合、出兵せざるを得ないということになってしまうのではと・・・。 絵:吉田たつちか)20110601大国とは、ある日突然、衰えるのではなく、徐々に徐々に衰力え上て洛いをく匂もわのせかてらいでたすの。だそろのう意と味思でいはま、す何。だだかかんらだこ言そっ、    6月号-126  ても、大国のその底力は侮りがたい物があるでしょう。(老いた大英帝国が新興国ドイツの挑戦を二度にわたって跳ね返したことや、古代ローマ帝国が東西分裂した後も、たびたび、西ゴート族の侵攻を跳ね返したことなどがその顕  (小説家池田平太郎

元のページ  ../index.html#127

このブックを見る