おもしろコラム6月号
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       『浦島太郎』は恋愛のバイブル彼の最後のオンナでありたいという乙女の願いは、今も昔も変わりません。これを実現するためのバイブルが実は日本にあります。それは『浦島太郎』です。時代によって呼び方は変わりますが、話の展開は約1300年前に成立した『日本    6月号-134  書紀』の頃から変わっていません。現代の『浦島太郎』から恋愛のバイブルなんて想像もつかないでしょうが、元々は浦島太郎と乙姫は夫婦です。改変されたのは明治時代で、教科書に載せるため男女関係を匂わす記述を排除したのです。 さあこうなると、物語の読み方が変わってきます。浦島太郎に助けられた亀は乙姫自身です。ここで乙姫は恋に落ちます。いつの時代も恋する乙女は強いも。あの手この手を使って浦島太郎を竜宮城やそれに準ずる施設に誘い込み、夫婦になることに成功します。しばらくは仲睦まじく暮らしていたものの、浦島太郎が故郷に戻りたいというではありませんか。浦島太郎に首ったけの    

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