おもしろコラム6月号
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その方法とは、犬・猿・雉を「正義の味方」にすることです。鬼退治は平和な生活を送る上で排除すべきもの。排除は虐げられている人たちにとって「正義」なのです。この「正義」という使命を犬・猿・雉に与えることで、桃太郎はタイプの違うお供をまとめていきました。 人間は正解を求めて成長を続ける生き物。これは生物全般にもいえることです。不正解だった場合、野生動物なら「死」が待っていますから当たり前といえるでしょう。正解の中でも「正義」は大きな快楽を与えるものでもあります。自分という人間に圧倒的な正当性を与えるので、オドオドと怯える必要がなくなるからです。 正義を与えられた犬・猿・雉は勇敢に鬼と戦い、ついに打ち勝ちました。これがもし、きびだんごという報酬のみでしたら、ここまでの働きはできなかったでしょう。やはり、自分は「正義の味方」であるという自負が、ここまで勇敢になれた所以でしょう。 これを現代に応用するには、部下に「正義の味方」になるための理由を伝える。例えば、下着メーカーであるなら、下着で世の女性の体形を美しくする。これが会社にとっての「正義」です。そして、これを世に伝えることが「正義の味方」になるために必要なこと。このように会社の正義を伝えるようにすれば、様々なタイプの部下であっても束ねていくことが可能です。 実はコレ、モテテクにも応用できるんですよ。自分と付き合うことが「正義」だと相手に暗に伝えることで、人が-       (コラムニスト 集まってくるのです。ただし、これはよく考えて実行してくださいね。失敗すると、あなたの恋はどんぶらこと川下に流れていくでしょう。ふじかわ陽子)2020066月号-137

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