おもしろコラム6月号
139/187

  『古事記』の神々     このシリーズの1回目に「別天つ神(ことあまつかみ)」という五柱の神さまが登場しました。全て性別を持たず身を隠してしまわれました。しかしこの別天つ神さまたちは、伊邪那岐命(いざなぎのみこ    6月号-138  と)と伊邪那美命(いざなみのみこと)に、「今ここにゆらゆらと漂っているものを国をするために埋めて固めよ」と言われ、天の沼矛(あめのぬぼこ)という玉(ぎょく)で飾った矛を、二柱の神さまに渡しました。伊邪那岐命と伊邪那美命は、天の浮橋(あめのうきはし神さまが下界へ来られるとき、空に浮かんでかかる橋)に立ち、天の沼矛でその沼をかき回しました。 その沼には海水も含まれていて、海をかき混ぜて矛を引き上げたとき、矛の先から海水が沼にしたたり落ちました。そのしたたったものが重なり積もってできたのが、島となりました。初めてできたその島は「淤能碁呂島(おのごろじま)と呼ばれました(現在のどこに当たるかはわかりません)。伊邪那岐命と伊邪那美命はその島に降り立ちました。   

元のページ  ../index.html#139

このブックを見る