おもしろコラム6月号
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         りの外に突出した出丸といったところだったでしょうか。 つまり、アメリカからすれば、日本という城を落とすには、まず、太平洋中に散らばった砦を一つ一つ潰しながら、出丸から三の丸、二の丸・・・そして、本丸へと進む「攻城戦」だととらえればいいわけ。 うものの要旨は、まず、第一に、「援軍が来る当てがあるかどうか?」ということですが日本にとっての援軍と言えば、ドイツしかなかったでしょう。 実際に、昭和16年11月5日の御前会議で決定された太平洋戦争開戦の際の「帝国国策遂行要領」を読み解いていけば、そ    6月号-142  こには、徹底して「アメリカには単独では勝てない。ドイツが英ソを屈服させてくれれば、アメリカは単独で戦うことになる為、戦意を無くすであろうことを期待する。」ということが書かれていたという。 じゃあ、ドイツが負けたらどうするの?ていうか、ドイツは勝てるの?ていうか、「期待する」って、それ何?という疑問には、敢えて触れないとして、次に、では、籠城戦を戦う上での要諦とは何か?と言えば、それ即ち、砦同士が有機的に結びつき侵入してきた敵を袋だたきにするという点にあったでしょう。 であれば、当然ながら日本側としてはその前提として、末端の砦に栄養を運ぶべき補給路が、本来、毛細血管のように張り巡らされてなければならないのだが、(これこそが太平洋戦争を戦っとなれば、籠城戦とい

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