おもしろコラム6月号
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る可能性があります。 3、マグロ、カツオなどの赤身の魚と結核薬(イソニアジド:商品名イスコチン等) イソニアジドという結核の薬はヒスタミンの分解を抑制します。マグロ、カツオなどの赤身の魚にはヒスタミンやヒスタミンの基になるヒスチジンが多く含まれるので、イソニアジドを服用している方がヒスタミンの多いこれらの魚を食べたときに、ヒスタミンの作用が強く発揮され、顔が赤くなったり、頭痛や発熱、気持ち悪くなったりするなどの症状が出ることがあります。 4、牛乳と真菌症治療薬(グリセオフルビン:商品名グセルビンFP等) 難溶性薬剤であるグリセオフルビンは牛乳によって溶解性が増加し、この薬剤の吸収率がよくなります。本来吸収される量よりも吸収され過ぎると薬の作用が過剰に現れ、頭・嘔吐・下痢などの副作用を起こすことがあります。 これらの他にも飲み合わせのよくない医薬品と食品の組み合わせが多数知られていますが、通常、医師または薬剤師から服薬上の注意がなされます。健康食品の中には、効率よく食品由来の特定成分を摂取できるように精製あるいは濃縮されたようなものもありますので医薬品との相互作用も強く出る可能性があります。何か健康食品をお召しがりの方は、念のために医薬品との相互作用の可能性はないか医師または薬剤師に相談することをお勧めします。           医学博士食品保健指導士中本屋幸永  (/   絵:吉田たつちか)    6月号-178  

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