おもしろコラム6月号
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    照る照る坊主の由来しとしとと天から水が滴り落ちる、梅雨がやってくる。カビも生えやすく、じめっとして嫌な季節だ。恵みの雨とも言うけれども、やはり何事も過ぎたるは及ばざるが如し、あまり長雨になると農作物の発育にも良くはない。そこで、太陽に顔を出してもらえるよう、軒先に吊るさ    6月号-24  れたのが、照る照る坊主だ。 照る照る坊主は、照る坊主とも言われ、白い布や紙に丸い芯を入れ、根元で縛ったものを吊るす。バトミントンや羽つきの玉のような形だ。最初は顔を描き入れないでおき、見事晴れることが叶ったならば、目を入れ、神酒をかけた後に川に流すという。今ではこの風習は薄れ、最初から可愛らしい顔を描くようになっている。楽しい行事の前に吊るすことが多くなったからか、気分を盛り上げる為の小道具の一つのようだ。 しかし、昔はもっと切羽詰って吊るしていた。雨が続   くことにより、生活が圧迫されてしまう。何とか雨を止ませてもらえるよう、人柱を立てることもあったぐらい

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