おもしろコラム6月号
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に異常気象をもたらします。 ところで。「エル・ニーニョ」とはスペイン語で「男の子」のいう意味です。実はこの現象は十二月ごろに始まり、    6月号-28  そのおかげでペルー沖のアンチョビ漁が豊漁になります。それがちょうどクリスマスのころに近いので、地元の人々はこれを神さまの恵み、「神の子」つまり「エル・ニーニョ」と呼ぶようになったり、逆の現象を「ラ・ニーニャ」つまり「女の子」と呼ぶようになったのです。 これらの現象は、昔から数年ごとに繰り返されてきた自然のサイクルなので、異常気象と言っても昨今の人為的なものとは種類が異なります。 それに、この現象が研究の対象とされ始めたのはまだここ数十年の話です。だから「エル・ニーニョだから今年は絶対に暑い」などと断言できる人はまだ一人もいないのが実情です。 地球も生き物です。熱が上がったり下がったりするときもあるのです。そう思って暖かく見守ろうではありません/    か。         絵:吉田たつちか                 (文:気象予報士チャーリー

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