おもしろコラム6月号
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ています。したがって、便秘の解消に役立つのですが、余り多食しますと効き過ぎて下痢を起こすということにもなりかねませんので、程々にしておきましょう。 さらに、サクランボはバラ科に属す植物ですのでバラ科の植物に広く分布するアミグダリンという成分も含まれています。アミグダリンは分解すると猛毒の青酸を発生する有毒物質ではありますが、適量であれば咳を鎮めたり、痰を切るという有用な作用も持っているようです。尚、アミグダリンがガンに効くと言われたり、ビタミンB17という呼び方をされるなど、その薬効が過大評価されていた時期もありましたが、現在では抗がん作用やビタミンとしての働きはいずれも否定されています。 アミグダリンはバラ科植物の実の種子部分に特に多く含まれていますが、未熟な果実の果肉部分にもわずかに含ま/  れていることがあります。中国ではサクランボが鎮咳・去痰作用を持つ漢方薬として用いられていたというのも納得できる話ですね。 絵:吉田たつちか)          (文:医学博士食品保健指導士中本屋幸永6月号-35

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