おもしろコラム6月号
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これは共存するビタミンP(ポリフェノールの仲間)がビタミンCの分解を防いでいるからです。なお、このビタミンPは、血管を丈夫にするという働きも持っています。 カロテンは油に溶けやすい性質があるので、油炒めなどにすると吸収率が高まります。このとき、通常の野菜の場合ビタミンCが熱によって損なわれてしまいますが、ピーマンのビタミンCは熱に強いので、安心して調理がすることが出来ます。 日本では、伝統的にピーマンは青いものしか流通していませんが、ピーマンも、完熟すると赤くなります。赤く熟したピーマンは、青いものよりもビタミン類の含有量が3~4倍も高くなります。また、糖度も上がり特有の青臭さも抜けるので、子供にも食べやすくなって一石二鳥です。 しかし、なぜ栄養価の高い完熟ピーマンが余り流通しないのでしょう?それは、ピーマンを完熟させるにはとても時間がかかるので生産効率が落ちるということと、完熟させると日持ちしないというのが理由のようです。家庭菜園で収穫している方は是非、赤いピーマンも食べてみてください。 なお、ピーマン特有の青臭さはピラジンという成分が原因ですが、ピラジンには血栓が出来るのを防ぐ働きがあり、心筋梗塞・脳梗塞などの予防効果が期待されています。生活習慣病の気になる方は、大人味のピーマンがよいかも! 絵:吉田たつちか)201106/.              (医学博士食品保健指導士中本屋幸永6月号-49

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