おもしろコラム7月号
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以下、簡単にその時の話を会話風に再現すると、姉:「お母ちゃんは簡単に言うけど、たくさんの人が死んだんやで」母:「あんた、そげなこと言うなら戦後の時の話ばしちゃろうか。戦争で日本人は300万人死んだとばい。ばってん、戦争に負けた日の夕方には豆腐売りが豆腐ば売りに来たばい」姉:「でも、お母ちゃん、そんなこと言うても何も売る物無いねんで」母:「売る物が無いなら、お湯ば沸かして店で売れば良かたい。とにかく、店に灯りば点けとかな。明かりば点けとけば、灯した明かりが表に出て街頭になろうが。そげんして通りば作るったい」・・・まあ、時期が時期だけに、武田さんもこの話をするのにかなり、言葉を選んでおられたように思えましたが、とにもかくにも、、一介の巷の主婦の口から「通り論」まで聞かされるとは・・・。本当にここ最近、これほどに感銘を受けた話は最近は無かったですね。少し、この一族を見直しました・・・。     (小説家 池田平太郎絵:吉田あゆみ)201107/.  7月号-149

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