おもしろコラム7月号
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(つくしのしま。九州)、壱岐(いき)の島、対馬、佐渡ヶ島、さらに、大倭豊秋津島(おおやまとあきつしま。奈良を中心とした畿内地域)を生みました。これら八つの島を、「大八島国(おおやしまぐに)」と呼びます。その後、吉備児島(岡山県児島半島)、小豆島、大島(山口県)、姫島(大分県)、知訶島(ちかのしま。長崎県五島列島)、両児島(ふたごのしま。長崎県男女群島)の六つの島を生まれました。これで二柱によるいわゆる「国生み」は完了します。「国生み」の中に、今のわたしたちが当然として捉えている「本州」が含まれていないことが、『古事記』が編纂された飛鳥時代らしさを反映しているように感じます。さらに二神は「子ども」を生み続けます。石の神、土の神、砂の神、屋根の神、家屋の神、海の神、川の神、風の-       (コラムニスト 神、木の神、山の神、野の神、霧の神、渓谷の神、船の神、豊饒の女神、などなど。人々の生活に不可欠な神々を生みました。火の神を生んだとき、伊邪那美命はひどいやけどをしました。苦しんで吐いたものは鉱山の神に、排泄物は粘土や灌漑用の水や生産の神に、それぞれ変わりました。そうしてよく知られているように、その後伊邪那美命は伊邪那岐命を残して息を引き取るのです。初めて生まれたのは、骨のない子どもで「水蛭子(ひるこ)」と呼ばれ葦船に載せて流されました。気象予報士 CHARLIE)2017077月号-151

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