おもしろコラム7月号
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     裸文化と日本人キリストの頃まで1億人だったと言われる世界人口も今や70億人。本来、多産でないはずの人類がこれほどまで  に繁殖できた理由の一つに「繁殖期を無くしたこと」があるとか。で、以前、ある人から、「女性が体を服で隠すから、見たい人が出るんだ」と言われ、私は内心、「それはちょっとこじつけだろう」と苦笑したことがあるので    7月号-156  すが、最近、少し思ったことがあります。江戸時代の日本の銭湯が混浴だったというのは割りとよく知られている話ですよね。現代人、特に女性の感覚からすれば、とても信じられないような話ではないかと思いますが、でも、一般の日本人女性が人前で体を隠すようになったのは明治後期以降、自国民の蛮風を恥じた明治政府が「裸は恥ずかしい」と啓蒙(?)したからで、事実、明治17年に来日したある外国人女性は夏の海辺の信じられない光景を日記に記しています。曰く、「果物売りの小さな女が商売を終えた後、そのまま、海に入り汗を流して砂浜で体を拭いていたところ、一人の男が現れた。彼女は平然と体を拭き続けていたが、男が顔見知りだったらしく、やがて微笑んで裸のままで挨拶を交わし始めた」と。また、ある外国人男性は温泉に浸かっていたところ、知り合いの日本人から声をかけられ、湯の中で妻子を一人一

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