おもしろコラム7月号
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26、5℃以上の海上で、大量の水蒸気をエネルギー源として台風は誕生します。暖かい空気の塊だけでできているので、台風はほぼまん丸な形をしており、温帯低気圧のように温暖前線や寒冷前線を伴っていません。  そうして回転しながら、さらに暖かい空気と大量の水蒸気を吸収することで台風は発達してきます。台風は「中心付近の最大風速が17.2m/sえてくると、その場所に応じて、熱帯低気圧に変わったり、温帯低気圧に変わったりするのです。「台風が温帯低気圧になる」と、ホっとしたように報道している天気予報がよくありますがこれは決して安心できることではありません。さきほども述べたとおり、低気圧は暖気と寒気の衝突によって成り立っています。台風が温帯地域にもたらす暖気は、普通の温帯低気圧を誕生させるそれよりもはるかに高い温度を持っているため、普段よりも寒気と暖気の温度差が大きくなり、一般の温帯低気圧よりも激しい気象現象が発生する恐れがあります。台風が温帯低気圧に変わると聞いても、決して気を緩めず、用心を怠らないようにしてくださいね。     (文:気象予報士 チャーリーを超えた熱帯低気圧」をさします。だから、中心付近の最大風速が衰絵:吉田たつちか)201007 /-     7月号-21

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