おもしろコラム7月号
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    貧乏人ほど太るのが21 世紀の食文化地球に人類が生まれて500万年、人類の夢は常に「お腹いっぱい食べたい」でした。それが20世紀の後半の先進国では、ようやくその夢がかなうようになりました。長い人類史の中でも、ほんのつい最近のことです。それもこの日本においては、朝はハムエッグとトースト、昼はラーメンに餃子、夜は肉にしようか魚にしようかと、世界中の料理を、毎日のようにとっかえひっかえして食べてい    7月号-78  ます。おそらくこんな多様な食事をしているのは、先進国の中でも日本だけでしょう。ところが500万年の夢をかなえた我々人類にひとつの難問が出てきました。それは肥満。かつて肥満は富の象徴でした。みんな太りたくても太れなかったからです。ところが時代は変わった。太っていることが富の象徴ではなくなり、むしろ「だらしない」とか「かっこわるい」とか言われるようになってしまったのです。日本においてダイエットが流行り出したのは1960年代に華奢で細身のモデル「ツイッギー」が来日、その可愛らしさと足の細さが日本女性に衝撃を与えました。そしてミニスカートの流行。これまでの日本女性には「美脚」とか「細い=美しい・かわいい」という発想そのものがなかったのです。そして       

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