おもしろコラム7月号
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きません。従って、運動なしで食事制限をしていると、筋肉がどんどん痩せてゆき、体脂肪率はダイエットするたびに多くなってゆきます。こうなると、水を飲んでも太るような代謝の悪い体になります。そればかりか、急激に、危険な内臓脂肪が増えてゆきます。また、食事を制限しながら、運動していても、短期間に体重が減りすぎると体は危機感を感じ内臓脂肪を増やして、緊急時に対応しようとします。内臓脂肪というのは、脂肪酸を分泌し、摂食中枢が刺激されて、どんどんと甘いもの、油物を欲し易くします。また、インスリン抵抗性を高め、糖を入れても入れても、エネルギー源として利用されない体となり、ますます多食に拍車をかけます。さらに、血液の粘性を高め、血栓を作ったり、アテローム硬化を促進する働きもあります。こうなると脳梗塞や心筋梗塞などの病気の原因になるばかりかガンや、感染症も誘発しやすくなります。更年期の女性は、今まで女性ホルモンに守られていましたが、閉経前後は、女性ホルモンの減少により脂質代謝が変わり、特に内臓脂肪がつきやすいので注意が必要です。歳をとるほど痩せにくくなり、ダイエットすればするほど内蔵脂肪がついて、病気を促進しますので、ムリなダイエットほど、体を損なうものはありません。     (文:薬剤師、薬食同源アドバイザー高田理恵 /-      絵:吉田たつちか)2005077月号-87

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