おもしろコラム 8月号
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河童伝説と水難事故         あなたの街に河童伝説はないでしょうか?もしあるとしたら、河童が出現するところは水難事故が多い場所ですよ。水遊びが気持ちの良い季節、気を付けたいものです。昔は水難事故が起きると、事故原因に河童が関連していると考えていました。尻子玉という架空の臓器を抜いてしまうから、死んでしまうと。この「尻子玉」ですが、死後硬直が解けたあとの筋肉が緩んだ状態だと肛門が開くので、何か抜かれているように見えたのでしょう。現代では笑い話のようですが、当時の人は今ほど科学が発展して    いませんから信じていました。そして、子供に言い聞かせるのです。「ここには河童がいるから泳いではいけない」と。この教えが今にも伝わっているからこそ、河童伝説は各地に残っているのです。無碍にしないようにしたいですね。裏を返せば、水難事故から守ってくれているのは河童なのですから。実のところ、河童という名称は芥川龍之介の小説『河童』から一般的になったといわれ、各地で呼び方が違います。「河太郎」という  –173–

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