おもしろコラム8月号
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 「夏の風物詩」入道雲フェウスはあきらめきれず、妻を死者の国から出してもらうよう冥土の神プルトンに頼みます。プルトンはその熱意に打たれ、彼の要求を飲みますが、一つだけ、「地上に出るまで妻を振り向いてはいけない」という条件を出します。    8月号-18  しかしオルフェウスは妻の顔を少しでも早く見たいと焦り、つい振り向いてしまいました。するとエウュディケは元の地底深くへ吸い込まれてしまいました。妻を完全に失ったオルフェウスは失意のうちに世を去り、その死を悲しんだゼウスが、オルフェウスを天上に迎え入れたと言われています。オルフェウスは「オルフェ」とも呼ばれ、この物語はのちの世でも多くの作品の題材とされています。     (文:気象予報士・小説家      通称「入道雲」は、「積乱雲」といいます。この雲は、遠目に見ると壮大で圧巻ですが、実は近寄ると恐ろしい目に遭うこともあるのです。積乱雲は、大気の状態が不安定なときに発生します。つまり下層(陸地や海面)が暖かく、上層が冷たいときです。みなさんもご家庭のクーラーの効き方で体験したことがあると思いますが、冷たい空気は下に行きます。つまり、暖かい空気よりも重いのです。だから、冷たい空気は下がりたがり、暖かい空気は上がりたがり、それぞれの空気の要求を満たすべく、積乱雲は発生・発達していくのです。チャーリー絵:吉田たつちか)200908  /-

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