おもしろコラム8月号
25/146

さて、はるかかなたペルー沖の海面水温が、なぜ日本にまで影響を及ぼすのでしょうか?赤道付近にはほぼ一年中吹き続けている、赤道貿易風という東風があります。これが弱まると赤道太平洋中部で海水温が高くなります。基本的に、赤道太平洋の海水温は、西(フィリピンのあたり)で暖かく東(ペルーのあたり)で冷たいものなのですが、その分布が変わってしまうのです。すると、例年ならば太平洋西部で多発していた雨雲が、太平洋中部で多発するようになります。逆にラニーニャ現象のときは貿易風が強いので、その影響を受けて異常気象が世界中で起こります。いずれにしてもこの現象が異常気象の原因として注目され始めたのはまだ最近のことなので、だからどうだ!という断言はまだ誰にもできないのです。ただ、猛暑になろうが冷夏になろうが夏は夏。紫外線対策と熱中症対策は怠りなく!(念のため雷対策も) 楽しい夏をお過ごしください!            (文:気象予報士 チャーリー絵:吉田たつちか)200508/-     8月号-25

元のページ  ../index.html#25

このブックを見る