おもしろコラム8月号
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      体育会系薩摩藩士が見た長州の同志的放言名前が語り継がれる人は?      これに対し、桂はしばらく熟考した後、「よし、行こう」と、上方行きを決意する・・・と。この辺の経緯を桂は「主命下るによりやむなく・・・」と記しているそうですが、実際には桂自身の意思と判断によって上方行きを決意したわけで、この辺のやりとりを見ていた黒田清隆は、「余計    8月号-84  なことは考えずに黙って行けばいいんだ」という薩摩方式よりも、「自分で考えて納得して行く」長州方式の方を是とすべきなのではないか・・・と考えるようになったと言われています。つまり、下級生であっても自分で納得して決めるというプロセスを抜かさないということですね。この点で、私の知人にも典型的体育会系の人がいて、上からのウケは良い反面、下からは「上から言われたことに盲従するのではなく、少しは現場の現実を上に言ってください」などいう反発もあるとか。彼の論理としては、「自分もその役職の時は上から言われることには黙って従ったのだから、彼らもその役職になった以上は従うのが当たり前」というもののようですが、でも、すべての人が彼のよ

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