おもしろコラム8月号
94/146

時代には、若くして、名支配人の呼び声高く、かなりの収入を得ていたといいます。まあ、こういう、違う仕事に就いていても、それなり・・・、いや、それ以上に光ることが出来る人こそが、一芸で飯を食って行くことが出来る人なのでしょう。その意味では、敬愛する大橋武夫氏の著書に描いてあったことですが、旧帝国陸軍のバイブル、「統帥綱領要項」には、「ま    8月号-94  ず計算し、しかる後にこれを超越せよ」という言葉がありますが、まさにこれではないかと。計算するまでなら、参謀というのは、大体、秀才と名が付く人ばかりですから、出来不出来はあったとしても、それなりに出来る・・・と。しかし、計算して出てきた物を、ただ、実行に移すだけなら司令官はいらないわけで、司令官は、その計算値をさらに超越した答えを出さなければならない・・・というような意味ですね。まあ、そこで求められるのが、経験であり、それに裏打ちされた直感力だったりするわけでしょうが、しかし、いくら頭が良くても、やはり、参謀止まりの器の人というのはいるわけです     (小説家 池田平太郎絵:吉田あゆみ)201208 /-     

元のページ  ../index.html#94

このブックを見る